食品ロスの問題が指摘されるようになったのはいつからだろう。私が子供の頃、昭和40年代にはなかったんじゃないかな。魚屋さんや八百屋さん、パン屋さんに買い物に行ってた頃には聞かなかったと思う。売る側も買う側も、いかに無駄を出さないかってことが生きていく知恵だったような気がする。いつの間にか、多少の無駄より、コスト優先、営利優先、楽さ簡単さ優先になってしまった。その結果、食べ物や命に対する感謝や思いやりを失っているというのは言い過ぎだろうか。
大量生産、大量消費という、いずれも完結しない仕組みはもう戻れないのかもしれない。いや、本来は消費を支える元気な若者たちや働き盛りの人たちがこのままどんどん減っていけば、生産者と消費者の間で商売する人たちはいい加減に気付くだろうか。売れないものは買ってもらえない生産者、大量の食品ロスを処分する費用の負担を強いられている消費者も、いつか気付くだろうか。
スーパーでは特売のキャベツの横に置かれたゴミ箱の中に、棚に並べられたキャベツ玉以上の量の葉が捨てられている様子を眺めつつ、期限切れ間近で安売りされている野菜の数に、自分一人では使い切れませんと呟きながら、買い物かごにサニーレタスを入れた。
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