資格こそありませんが、長く住宅問題に苦しんだおかげで、住まいに関するたくさんの経験や勉強をする機会を得ました。その縁から、昨年は知人宅の相談を受けることになりました。
大型台風の去った後、外壁の亀裂やサビ状のシミが目につき、雨漏りしてこないかと気になり始めたのがきっかけだそうです。外壁を再塗装するならリフォームもしようと思い、複数の業者に見てもらったらそれぞれの言うことがあまりにも違うので困ってしまい、相談をいただきました。
実際に現地を拝見したところ、外壁に明確な亀裂は無く、サビ状のシミはベランダの手すりや窓枠の周辺にできた水垢のようでしたが、業者は再塗装を勧めていました。
直射日光の当たる部分は確かに外壁塗装にチョーキング(白化)がみられましたが、大部分は問題無く、シーリング材も柔軟でしたので、急がなくても大丈夫とお伝えしました。
さて、リフォームが問題でして、ご本人の希望は、1階の和室とキッチンの間のテラスを使わなくなったので、和室の続き部屋にしてベッドなどを置き、1階のみで過ごせるようにしたいと考えたそうです。しかし、提案された内容を現地で想定すると、耐震性を無視し、隣接する浴室や洗面所、廊下などの将来的な使い勝手を考慮せず、素人の足元を見たひどい内容でした。私が依頼者の立場なら感じるいくつかの疑問点をお伝えし、それに対して業者が誠意的に回答しなかったら、お断りした方がよいとアドバイスさせていただきました。
結果、いずれの業者も自分たちの提案を押し通そうとしたようで、ご本人は納得して断れたそうです。その後、新型コロナ禍となってしまいましたので進展はしてないようですが、コロナで工事を急がされたかもしれないと考えると、落ち着いて業者選定をできるようになったのは本当によかったことでした。
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