日増しに建築されていくご近所の分譲住宅。内装工事に移っても相変わらず作業時間は適当で、中は一体どういう状態なのやら。そんなに急いでどこ行くの?と逆に心配になります。
さて、昨日の朝刊に折り込まれていたチラシに、どーんとご近所さんの分譲住宅が掲載されていました。写真ってすごいなあ〜。毎日のように目の前で見ている工事現場も、まったく見違えてしまいますから。かくいう私も、本業では写真の力にずいぶんと助けられているので、その辺りの効力についてはよく分かります。でも文化財の記録写真は、いかに客観的にありのままの姿の情報を調査担当者以外の第三者に伝えられるか、という使命があると思っていますから、ごまかしたり、嘘をついたりするために写真力を使っているわけではありませんので。
話が横道に逸れてしまいました。
広告に表示されている「私道負担」って本当は何だろうと思い、調べてみました。ネットで検索するとたくさん出てきますので、気になる方は自分でもぜひチェックしてみてください。
建築物のある土地の中(一部)に、不特定の人が使用する「通路」がある場合に、これを「私道負担」と呼ぶそうです。右記の例では、各号地の中には居住者以外が通る可能性はありませんので、『私道負担/なし』と表示されていても間違いではないようです。
しかし、問題は「道路」と表示されている部分です。実はこの「道路」、各号地とは異なる番地がつけられた「空地」でして、今回の建築確認申請によって和泉市の「建築基準法第43条1項ただし書き」道路に認定されたものです。
ではこの分譲住宅を購入する人にはどういう関係があるのでしょうか。この分譲地の元の所有者がこの「ただし書き道路」の分筆所有権を持っていたので、家を建てることができたわけです。したがって、購入者は表示された各号地以外に、「道路」と表示された部分の分筆所有権もセットで購入しないと、住宅を建てた新しい人にはなれないのです。建築確認申請の許可によって建てられた家ですから、その権利を受けるということは、条件も受けないと意味がないわけです。
そういったややこしい話は、広告では間違いなく省かれます。そして、購入してくれそうなお客さんなら、余計なことを伝えてしまって商談成立しないくらいなら、まずハンコを押させようとなってくるわけです。重要事項説明ではさらっと流すか、難しい専門用語を並べたてた上で大丈夫ですって感じで、後から問いただすと、「一応説明しましたけど、お客さまから質問がなかったので」とか平気で言います。
住宅購入は人生の中でとても大きな買い物です。くれぐれもご用心を。「聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥」と言います。私の経験からアドバイスさせていただくとすれば、一瞬の出費をケチって一生後悔するくらいなら、良い建築士さんに相談して、太鼓判を押してもらってから購入した方が良い、ということです。
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